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侘び・寂び・遊びの土人形
大正から昭和初期、古き良き時代。 路地裏には子供たちが駆け回り、老人たちがおしゃべりを楽しむ光景が濃い影と共にある。 郊外に広がる緑豊かな田園風景。清らかな流れが煌めきの中を躍る。博多を代表する人形のひとつ「茂四郎人形」は、そんな懐かしくも恋しい風景を映し出したものだ。
手造りゆえに不揃いな線、淡彩で土味を生かした絵付け、ちょっと捻りが加えられたデザイン、遊び心溢れるテーマ・・・・通常の博多人形とはやや趣きの異なる、素朴で郷土玩具的作品は、初代戸畑茂四郎が昭和初期から作りはじめ、あたかも昭和初期のタイムカプセルのようである。 作品に多くみられる「童もの」のあどけない表情をみていると、子供の頃の情景に自分を重ねあわせてしまう。その時の風景の中で自分も遊んでいると、不思議と心の中のモヤモヤやイライラがスーッと消えていくから不思議だ。 そうした玩具のような風合いながら、実は侘び寂びの求められる茶の湯の世界にもよくあう。和室の床の間に飾られた人形は、その空間と見事に調和し、あたかも以前からそこにあったかのように落ち着いた空気を醸し出している。
二代目・茂四郎先生と作品について伺った、「手造りの良さと素朴さを活かしながらも、気品ある人形を造っていきたい。"侘び寂び遊び"、それが初代茂四郎から受継がれた気持ちなんだ」。 素朴さと気品。この2つのバランスがとれた人形が茂四郎人形であると思う。現代の量産品には出せない風合い・・・・これからも『侘び・寂び・遊び』の茂四郎ワールドは三代、四代目へと受継がれていくに違いない。
昭和23年 福岡市生まれ 昭和40年 初代戸畑茂四郎に師事 昭和43年 京人形師宮崎隆氏に師事 昭和53年 博多人形振興競作展 佳作 西部工芸展入選 昭和55年 西部工芸展入選 昭和57年 西部工芸展入選 昭和59年 福岡市美術展入選(連続四回) 昭和60年 西部工芸展入選 平成7年 伝統工芸士認定 平成11年 博多人形新作展 理事長賞 平成13年 博多人形新作展 佳作 平成16年 新製品開発展銅賞 伝統工芸士 白彫会会員