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能の気品を博多人形に映す
「静から動へ入っていく、その次の動きまでを出し切りたい」。能人形師・国崎信正先生はそう話します。
つま先のただよう緊張感、風をはらんだ衣装、そして無表情に幾多の感情を宿す面。技に流れすぎない独特の「間」が、見る者に想像の余地を残し、「切り取られた一瞬」ではなく、むしろ「流れていく」ような感触をもたせます。
数ある博多人形のジャンルの中でも、決まりごとが多く難しいとされる能人形の世界。この道に信正先生がはいられたのは、『能面』との出会いがきっかけでした。「なんとも言えない味、こころ洗われる奥深さ」に打たれ、舞を見るたびに能に惹きこまれていったといいます。
憧憬に近い能への思いを、真摯なまでに写実性にこだわった観察眼と精緻な手仕事が形にします。ヘラを使い分け、大胆に、ときに緻密に彫り込む造形。あでやかな中に気品ただよう配色。細やかに紋様を描きいれる、微にいり細をうかがった彩色。リアルを追求する中でも、能面への思い入れは格別です。面の美術書とひたすら対峙し、へらで土へと写し取っていく様は、木と土という素材の違いはあれ、能面師が本面を手本に新しく面を打っていくかのよう。
「人形つくりは"思い込み"が大切。でないと人形に心が通いません」と信正先生。思いを込める、つまり人形の構想を練ること。原型を作る土を練るときも「こころを粘土へ移すように」と。作り手の魂は土のぬくもりと重なり、人形に気品となって表れています。
昭和30年 博多人形師三坂茂氏に師事 昭和43年 博多人形新作展 通産省繊維雑貨局長賞受賞 昭和44年 福岡県知事感謝状 昭和46年 博多人形新作展 内閣総理大臣賞受賞 昭和48年 博多人形新作展 通産省繊維雑貨局長賞受賞 昭和51年 博多人形新作展 博多人形商工業組合賞受賞 伝統工芸士認定 昭和53年 博多人形新作展 通産省生活産業局長賞受賞 昭和54年 博多人形新作展 福岡市長賞受賞 昭和55年 博多人形新作展 福岡県知事賞受賞 昭和59年 博多人形新作展 内閣総理大臣賞受賞 平成2年 博多人形新作展 九州通商産業局長賞受賞 平成3年 福岡市技能優秀者認定 平成4年 博多人形新作展 内閣総理大臣賞受賞 平成6年 新製品開発展 金賞受賞 博多人形新作展 入選 平成7年 博多人形新作展 通商産業大臣賞受賞 平成8年 博多人形新作展 入選 福岡県技能優秀者認定 平成9年 博多人形新作展 福岡市長賞受賞 平成10年 新製品開発展 優秀賞受賞 博多人形新作展 福岡市経済振興局長賞受賞 平成11年 博多人形新作展 通産省生活産業局長賞受賞 平成12年 博多人形作家協会会長 博多人形新作展 福岡市経済振興局長賞受賞 サミット蔵相会議記念品人形制作 平成13年 九州伝統工芸的工芸品産業表彰 博多人形新作展 経済産業大臣賞受賞 福岡県伝統工芸品展 福岡市長賞 新作開発競作展 産地卸協会賞 平成14年 博多人形新作展 福岡商工会議所会頭賞 博多人形新作展 中小企業庁長官賞 平成15年 福岡県伝統的工芸品展 振興競技会長賞 平成15年 経済産業大臣表彰 平成18年 博多人形新作展 九州通商産業局長賞