陶芸家・ガラス工芸家・人形師など伝統工芸の展示会の情報を発信
中村清六氏は長崎県の波佐見村(境在の波佐見町)に大正5年(1916年)3月10目に生まれました・そこは通称焼物部落(皿山)と呼ばれ、文部省の実業公民学校工業科にて昭和6年(1931年)から見習いでロクロを回し始めました。何故ロクロを目指したのか、それは伊万里焼(有田焼)自件が絵付け磁器の基礎としての白磁であって、日本では中国朝鮮のように純粋な白磁の発達があまりなく、自分なりのものを形にする世界で、自分を表現できるのが白磁であると考えたからです。身長142センチの小柄な氏が他の人以上に土をこねロクロをまわす事は大変なことで「試練に出会ったやけくそにならずなにくそと言う気持ちを大切にしました。」(清六談)
波佐見で修業をし、26歳(1942年)の時、有田へ行けば歴史のある有名な窯元があり、自分の技術世界が広がると思い有田へ移ります。工業学校等のロクロの指導者として働き、また各窯元の要講で給料制で働くのではなく講負でロクロをひいてきた人生です。若い頃から「小物造りの名人」と言われた氏が初代奥川忠右衛門(無形文化財)に出会い荒物(大きな物)の大切さも知り、技術と奥川師の深い精神性に触れたことが氏の姿そのものです。「仕事は常に品格と気品が大切であり、ロクロは肌で覚えて肌でする仕事。つまり裸仕事ですから腹の中も「白」でなければ良い作品はつくれません。」(清六談)
昭和41年(1966年)50歳で高麗庵清六窯をつくり独立。その場所が清六の辻の所であったのも自磁作家らしく、高麗庵」と名付けたのはその場所は昔高麗神を祀った場所があったので、自分たちがその意志を継ぎ、お祀りする意味でっけたとのことです。また、本名清見を清六としたのは、忠右衛門先生とも相談し自分は身体が小さく鍋蓋(⊥)で押さえられても(八)で踏ん張るという決意で決めたのです。
原料の陶石は極上のものを使い、透明紬も最高のものを考え、艶消しの白磁を作るにも7~8年研究の末15年位前に完成しました。「材料技術精神性その三つが調和し、形になります。それ自体が自分の分身であります。」(清六談)
用の美の極致何のてらいも虚飾もないロクロという遠心力を使って磁器の持つ張り詰めた緊張感と清らかさ、優しさを併せもつのが氏の白磁です。
氏の白磁は中国の陶白磁の気宇壮大さと明の永楽年代の完壁なまでの透徹さの両方を喚起させられます。
しかしそれは唐の白磁でも永楽でも李朝の自磁でもありません。17世紀初頭に始まり、400年の歴史をもつ日本の自磁の完成された姿の一つなのです。伝統工芸としてのロクロの技は、透光性のある薄い器面を挽いたり、大きな壼一気に挽くと同時に、その真髄はその器形に合った大きさと厚さをつくることに発揮されます。
用のものに於いては、飯碗はご飯を入れて丁度良い重さ、そして熱くて持てないというわけではない薄さ、持ったときの手の心地よさ、おさまり具合、やきものの道具の本質を具現化しています。
「小物も荒物も大切なことは同じで、人間の身体を思い浮かべるようにと先輩から教えられてきました。壷であれば高台は足、立ち上がりはぐっと力強く腰であり、ずんだれた形ではだめで胴、頸のバランス、縁は目で、ここが特に難しく全体の調和がとれていなければなりません。」作品の持つ美しさ、技の極みが67年問のロクロ人生に反映されています。r私の作品はとにかく触って欲しい。その時その時の自分の思い、願い、息吹、私そのものを感じて戴けると思います。」(清六談)
大正五年 長崎県伊佐美町に生まれる 昭和6 年 中島製陶所に入りロクロ師として修行に入る 昭和26年 佐賀県陶磁器成型技能コンクール第一位佐賀県知事賞を受賞 昭和41年 高麗庵清六窯を建て独立 昭和45年 日本万国博覧会出品(大阪) 昭和49年 日本工芸会正会員となる 昭和50年 天皇皇后両陛下に鈴形蓋物一対献上 昭和51年 天皇皇后両陛下に小蓋物五客献上 一水会正会員となる 労働大臣検定陶磁器一級技能士(第一回認定) 昭和52年 労働大臣より卓越技能士として表彰され現代の名工の称号を得る 昭和54年 伝産協会より伊万里・有田焼第一回伝統工芸士に認定される 昭和55年 黄綬褒章受賞 昭和58年 九州山口陶磁展にて文部大臣賞受賞 昭和60年 西日本陶芸美術展にて通商産業大臣賞受賞 昭和61年 全国伝統工芸士会会長就任 昭和63年 佐賀県芸術文化功労賞を受賞 平成2 年 佐賀県重要無形文化財陶芸白磁の保持者に指定される 日本陶芸協会主催'90国際陶芸展にて外務大臣賞受賞 平成3 年 フランス・パリにおいてダイアナ杯争奪戦日本の伝統工芸特別企画会場 にてロクロ実演。 英・ロンドン及びサンダーランドにて英日交流百周年記念公式行事日本 伝統工芸展展示会場にてロクロ実演。 平成4 年 全国伝統的工芸品展にて日本放送協会会長賞受賞 平成6 年 日本伝統工芸展にてNHK会長賞受賞 平成9 年 全国伝統的工芸品展にて通産省生活産業局長賞受賞 平成10年 全国伝統工芸品展 中小企業庁長官賞受賞 平成11年 全国伝統工芸品展 無審査特別賞受賞(新記録) 平成12年 全国伝統的工芸品展にて経済産業大臣賞を受賞 平成15年 佐賀新聞文化賞受賞 [作品の主な収蔵先] 伊勢神宮宝物殿 白磁壷 国立近代美術館 白磁艶消深鉢 白磁大壷 九州陶磁美術館 白磁艶消深鉢 大英博物館 白磁水指 文化庁買上 白磁艶消鉢 サックラー美術館 白磁深鉢 [役職] 日本伝統工芸士会理事 佐賀県陶磁器技能士連合会会長 肥前地区伝統工芸士会連合会会長 伊万里有田焼伝統工芸士会会長 労働大臣検定陶磁器成型佐賀県審査員 伊万里有田焼後継者育成講師 佐賀県陶磁器技能アドバイザー 陶磁器技能士認定審査員